新規獲得向上から自社サービスの継続利用にまで繋げる!ソーシャルログイン活用手法と事例

公開日:
2019
7
16
最終更新日:
2019
7
16

オンラインショップで商品を購入したり旅行予約サイトでツアーを予約したりする際、会員登録が面倒になって、サイトから離脱してしまった経験は誰もがあるのではないでしょうか。アカウント登録や管理の煩雑さにより自社サービスの利用機会が減少することは、企業にとって大きな機会損失に繋がります。

そこで今回は、ソーシャルログインを活用してユーザーのアカウント登録や管理の手間を軽減することで、自社サービスを効果的に利用してもらう方法や実践例をご案内いたします。

ソーシャルログイン普及の背景

株式会社マージェリックが2017年9月に調査したデータによれば、62.8%の人々がアカウントの登録が面倒だったために購入を断念したり、新しく見つけたサイトではなく普段使い慣れているサイトで商品を購入したりと、多くのユーザーは離脱してしまっているようです。

また、同社の調査データによると、54.6%の人々が普段オンラインショップで商品を購入する際に、複数のショッピングサイトで比較検討しながら商品を購入すると回答しています。半数以上の人々はオンラインショップで商品を購入する際に、価格や条件を比較してから購入していることが推測できます。

一方で、アカウントを持っていないオンラインショップを利用する際に困っていることを聞かれると、52.1%の人々がアカウントの管理が面倒、忘れてしまうと回答しています。新しいオンラインショップで新しいアカウントを作る手間に加えて、アカウントのIDとパスワードを管理することの手間が大きな要因でしょう。半数以上の人々は、たとえ好条件で商品を購入できるオンラインショップを見つけても、アカウントの作成と管理を面倒に感じていることが分かります。

オンラインショップだけでなく、人材や旅行、不動産等の会員組織を持つその他のWebサービスを利用する上でも、やはりアカウントの作成やIDとパスワードの管理はユーザーの手間となり離脱の大きな要因となるでしょう。

新規獲得向上や離脱軽減に繋がるソーシャルログインのポイント

ソーシャルログインを活用することで、新規会員登録時のアカウント登録の煩雑さを軽減しつつ、アカウントのIDとパスワード管理の手間をなくすことができます。しかし、ソーシャルログインのメリットはそれだけではありません。

会員組織を持つWebサービスを運営する企業はソーシャルログインを利用することで、以下三点のメリットを享受することができます。

  1. 会員登録時にフォームに情報が自動で入力でき会員登録CVRが向上する
  2. 自社会員がソーシャルアカウントでもサイトにログインできるためサイトの利便性が向上する
  3. ソーシャルログインで取得したソーシャルIDを販促施策に活用できる


それでは、具体的な内容について見ていきましょう。

1. 会員登録時にフォームに情報が自動で入力でき会員登録CVRが向上する

新規会員登録の際にソーシャルログインを利用すると、各ソーシャルアカウントに登録されている個人情報をフォームに自動入力でき、ユーザーのフォーム入力の煩雑さを軽減できるため、フォーム遷移後の離脱軽減や会員登録CVRの向上に繋がります。

ユーザーが利用するソーシャルアカウントによって自動で入力できる個人情報が異なるので、企業側は自社会員との親和性が高いソーシャルアカウントや注力するマーケティング施策に応じて、対応するソーシャルアカウントを選択する必要があります。

各ソーシャルアカウントから取得できる個人情報は以下の表の通りです。赤く塗りつぶされている項目は、取得するためにソーシャルプロバイダ側の審査が必要な項目です。


各SNSプロバイダから取得できるデータ項目 概要(2019年7月、フィードフォース調べ)

2. 自社会員がソーシャルアカウントでもサイトにログインできるためサイトの利便性が向上する

新規会員登録時か登録後のいずれかのタイミングでソーシャルログインを利用すると、Webサービス側のIDとソーシャルアカウントのIDが紐づき、普段使い慣れたソーシャルアカウントでWebサービスにログインできるようになります。

ブラウザ上で利用するソーシャルプロバイダのログイン履歴が保持されていれば、サイトにログインする際にソーシャルログインボタンを1クリック/タップでログインすることができます。

デスクトップブラウザでソーシャルログインを利用する場合は、ブラウザにログイン履歴が保持されている場合が多いので、Yahoo! JAPANやFacebook、Googleの相性が良い傾向にあります。スマホのブラウザの場合は、デフォルトのブラウザであればアプリが自動で連携し認証をスキップできるLINEの相性が良い傾向にあります。

近年のソーシャルログインの利用動向としては、上記のブラウザの違いによるソーシャルログインの挙動の違いにより、デスクトップブラウザとスマホブラウザによって対応するソーシャルログインのアカウントが分かれている事例が増加しております。

3. ソーシャルログインで取得したソーシャルIDを販促施策に活用できる

ユーザーがソーシャルログインを利用した際、企業側はユーザーが利用したソーシャルアカウントのID(ソーシャルID)を取得することができます。

Facebook, Twitter, Yahoo! JAPANであれば取得したソーシャルIDや各ソーシャルアカウントに登録されているメールアドレスを元に広告のターゲティングに活かすことができます。例えば、ソーシャルログイン後に会員登録フォームで離脱したユーザーだけを対象にして、もう一度会員登録を促すような広告を打ち出すことができます。

そして、近年最も注目を集めているのがLINEログインです。LINEログインに対応することで、企業はLINEログインを利用したユーザーのLINE ID(LINE userId)を取得できるだけでなく、自社のLINEアカウントをユーザーに友だち追加することができます。そうすることで、自社会員のLINEアカウントを特定した形で、自社会員の属性情報やWeb上での回遊履歴、行動履歴に基づいたメッセージ配信をLINEで行うことができます。

LINEは今や日本でも8,000万人を超える人々が日々利用しており、性別や年齢層に関わらず幅広い人々にリーチできる点が魅力です。普段メールを利用しない人々やメルマガを全く閲覧しない人々にもリーチでき、株式会社ジャストシステムの調査によればLINEが商品購入のきっかけになったと回答した回答者は42.6%に達しており、メルマガの3倍以上の効果が確認できています。

新規獲得に効果を発揮する、効果的なソーシャルログイン活用方法

1. 会員登録のハードルを下げ、より多くの自社会員に最適な情報を届ける

ソーシャルログインを活用した新規獲得のベストプラクティスは、可能な限り会員登録時に入力するフォーム項目数を減らして、ソーシャルログインでフォームに情報を自動入力することで、ユーザーの会員登録のハードルを可能な限り下げることです。ユーザーが自社のWebサービスに興味を持ったタイミングで、すぐにサービスを利用できる状態を整えることが何よりも重要です。

最近では会員登録時に取得する個人情報をメールアドレスだけにしてしまい、ソーシャルログインボタンを押下するだけで会員登録を完了できるWebサービスの設計も姿を見せています。こうした設計にすることで、自社のWebサービスを利用したいと思ったユーザーの離脱を大幅に軽減することができるでしょう。

また、フォーム項目を軽減させるだけでなく、自社会員のWeb上での回遊履歴や行動履歴に応じてメルマガやLINEでのメッセージを出し分けることで、新規獲得後のCVを更に向上させることが可能です。

会員登録時に住所や連絡先等のたくさんの情報を取得しようとしても、一定数のユーザーは確実に離脱してしまいます。それよりは、会員登録のタイミングではメールやLINEで緩い繋がりを作っておき、自社会員のWeb上での閲覧ページやお気に入り登録やかご落ちといった行動履歴に応じてメッセージを送ることで、「サービスを利用したい!」と思ってもらえる機会を増やす方が効果的ではないでしょうか。より詳細な個人情報はそのタイミングで取得する方がユーザーにとっても自然な流れで情報入力を促せるでしょう。


2. LINEを効果的に利用することで、更に新規獲得後のCVを向上させる

LINEログインは他のソーシャルアカウントとは異なり、LINEログインを利用した際に企業側のLINEアカウントも自動的にユーザーに友だち追加することができます。

会員登録のタイミングで自社会員IDとLINE userIdを紐付け、企業のLINEアカウントの友だち追加も促すことができるので、LINEログインを促せれば自社会員の属性情報や行動履歴に応じたメッセージ配信をLINEでも実現することができます。

それでは、新規会員登録導線でLINEログインを効果的に活用できている事例を見てみましょう。


「一休」におけるLINEログインを利用した新規会員登録フロー例

ホテル・旅館の宿泊予約サイト「一休」では会員登録時に必要な情報がメールアドレスのみという設計になっています。LINEアカウントには基本的にメールアドレスが登録されているので、LINEログインを1タップすれば会員登録が完了します。

会員登録を完了すれば、一休のLINE公式アカウントが友だち追加され、一休の会員IDとLINE ID (LINE userId)の連携も完了します。そのため、LINEログインで会員登録した自社会員の閲覧履歴に基づいた宿泊施設やレストランの案内をしたり、属性情報に応じたクーポンをすぐに配信することができます。

このように会員登録のハードルをできるだけ下げてCVRを向上し、自社会員の興味関心や行動履歴に応じたメッセージをLINEに配信して、サービスを利用してもらうタッチポイントを増やすことがソーシャルログイン活用のベストプラクティスです。

さらに、LINE社のパートナー経由でLINE公式アカウントを利用していると、別途LINE社への申請・審査に通過すれば LINE Profile+ という機能を利用することができ、メールアドレスだけでなく氏名 / 性別 / 生年月日 / 住所 / 電話番号 といった個人情報までLINEログイン時に取得することができます。

ご自身のLINEアカウントに氏名や住所を登録した記憶がある方もそこまで多くはないかとは思いますが、最近ではLINE Payを利用する導線の中で LINE Profile+ への個人情報の登録が必要になっている背景もあるので、LINEへの個人情報の登録も次第に増えていくことは間違いないでしょう。

▼LINE Profile+とは?詳しい機能と事例はこちら
https://socialplus.jp/line/profile-plus

まとめ

新規獲得や獲得後の初回購入を効果的に促すソーシャルログインの活用方法についてご紹介してきました。

近年はソーシャルログインの中でも特にLINEログインの利用率がユーザー側企業側共に高まっています。LINEログインを利用することで、ユーザーは簡易的に会員登録ができるだけでなく、自分の興味関心に即した情報を企業から受け取れます。企業もLINEログインを自社会員に促すことで、精度の高いメッセージを配信できるため、自社会員のサービス利用をより促すことができます。

一方でYahoo! JAPANやFacebook、Googleも企業の属する業界や企業の顧客層によっては、依然として高い人気を誇っています。

ぜひ、今回ご紹介した内容を元に自社Webサービスの会員登録導線の見直しや、ソーシャルログインの活用をご検討いただければと思います。

こちらのコンテンツもおすすめです

調査レポート

ソーシャルログイン利用状況調査2022を発表!スマートフォンではLINEログイン、PCではYahoo! JAPANログインの利用が最多

LINEのID連携とは? 企業が導入するメリットと活用事例、効果的な実装方法を解説

コラム

LINEのID連携とは?企業が導入するメリットと活用事例、効果的な実装方法を解説


離脱率・リピート率・CVRをまとめて改善! EFOに効果的なソーシャルログイン活用法とは

コラム

離脱率・CVRの改善に効く! EFO(エントリ―フォーム最適化)にもソーシャルログインがおすすめな理由とは?

サービス導入のご相談やLINE活用に関するお問い合わせはこちらから

ソーシャルPLUSに関するお問い合わせやご相談など、お気軽にお問い合わせください。